カジノの起源と広まり
カジノの歴史は古く、その原型は紀元前2300年ごろの中国で行われていたと言われています。当時のギャンブルは占いやくじ引きの要素が強く、カードやサイコロを使ったゲーム要素が強いギャンブルが広まるのはもう少し後になってからです。17世紀以降、こうしたゲームとしてのギャンブルを行う場としてカジノは、イタリアの貴族たちの間で広く流行しはじめました。カジノという言葉も、もとは『小さな家』をあらわすイタリア語が語源となっています。
18世紀に入ると、フランスの王室をはじめ、ヨーロッパ中の王侯貴族の間で人気の娯楽として知られるようになり、庶民層にも広がっていきました。そして19世紀に入るとカジノ文化はヨーロッパから海を渡り、アメリカ大陸でも大流行しました。シカゴやラスベガスなど、現在でもカジノの代名詞と言っても過言でない地域が誕生していきました。
ヨーロッパの格式あるカジノ
ヨーロッパには格式の高いカジノがあり、ネクタイ着用など服装規定が定められている場合が多いです。世界最古と言われるカジノはイタリアのヴェネツィアにあるカジノ・ディ・ヴェネツィアで、1638年に開業しました。ドイツのバーデン=バーデンにあるカジノ・バーデン・バーデンは、赤い家具と金色のシャンデリアで飾られた豪華な内装が見どころです。モナコのモンテカルロには、1863年開業のグラン・カジノを始めとして、4つのカジノが集中しています。
アメリカのカジノとラスベガス
アメリカではカジノの扱いは州によって異なり、10の州では合法とされていますが、ハワイ州とユタ州ではカジノに限らずすべてのギャンブルが禁止されています。ラスベガスは、1931年にネバダ州がギャンブルを合法化してから、カジノの町として急速に発展しました。当初は犯罪組織が資金提供や経営に関与し、組織間の抗争まで行われましたが、1959年にカジノのライセンスを管理するゲーミング・コミッションとゲーミング管理委員会が設立され、犯罪組織の影響を払拭しました。
日本のカジノ展望
日本では2016年にカジノ法案(IR推進法)が成立し、カジノを含めた統合型リゾートの建設と運営ができるようになりました。日本でカジノができるのは2027年中を見込んでおり、開業場所は長崎県佐世保市にあるハウステンボスになる予定です。また、2029年には大阪府大阪市にある夢洲でもカジノの開業が予定されています。
日本の挑戦
日本におけるカジノの合法化は、経済的なメリットと課題の両面を抱えています。
メリット
- 経済成長: カジノは外国人観光客を呼び込み、経済の成長と回復に寄与します。特に観光地でのカジノは、地域雇用の増加や周辺産業の活性化につながります。
- 都心以外の活性化: カジノを含めた統合型リゾートは、都心以外の地域にも注目を集め、観光資源の多様化に寄与します。
課題
- ギャンブル依存症: カジノの合法化に伴い、ギャンブル依存症の問題が懸念されます。政府は責任あるギャンブルの普及を図りつつ、依存症対策を進めています。
- 治安とマネーロンダリング: カジノは治安の悪化やマネーロンダリングのリスクを伴います。厳格な規制と監視体制が必要です。
日本のカジノ文化は、過去から未来への展望を反映しています。カジノに興味のある方は、ぜひこれからの展開に注目してください。